「うちの子は集中力がないのでは」と心配になることがあるかもしれません。けれど、幼児が長い時間集中できないのは自然なことで、集中力はこれから育っていく力です。
幼児の集中は、短くて当たり前
小さな子どもが集中していられる時間は、大人よりずっと短いものです。0歳や1歳であれば、ひとつのことに向かう時間はほんのわずか。年齢が上がるにつれて、少しずつ長くなっていきます。
ですから、すぐに次の遊びへ移ってしまうからといって、集中力がないわけではありません。短い集中を何度も繰り返すことが、この時期の育ち方です。
集中力は「聴く」ことから育つ
集中力の入口になるのが、聴く力です。音に耳を澄ませる、人の話に耳を傾ける。この「聴こうとする姿勢」が、じっと見る力、最後までやりとげる力へと広がっていきます。
音楽は、この聴く力を育てるのにとても向いています。音の高さのちがい、リズムの変化、曲の始まりと終わり。耳を使う場面が次々に出てくるので、楽しみながら集中する経験を重ねられます。
「楽しい」が集中を長くする
大人でも、好きなことには時間を忘れて取り組めます。子どもも同じで、楽しいと感じているときにこそ、集中は長く続きます。
集中しなさいと言い聞かせるよりも、思わず集中してしまう場面をたくさんつくること。それが、幼児期の集中力を伸ばすいちばんの近道です。
年齢とともに、集中のかたちは変わっていく
0歳の集中は、音のするほうをじっと見る、お母さんの顔を見つめる、といった姿で現れます。ほんの短い時間ですが、これが集中力のいちばん最初の芽です。
1歳・2歳になると、まねをする、繰り返す、という形で集中が見られるようになります。同じことを何度もやりたがるのは、その子がいま夢中になって学んでいる証拠です。
3歳を過ぎると、先生の話を聴いて、そのとおりにやってみる、という集中ができるようになってきます。4歳、5歳では、うまくいかなくてもあきらめずに取り組む忍耐力が加わり、集中はより長く、深いものになっていきます。
夢中になっているときは、そっと見守る
子どもが何かに夢中になっているとき、つい声をかけたくなることがあります。上手だね、こっちもやってみたら、と。けれど、せっかくの集中がそこで途切れてしまうこともあります。
夢中になっている時間は、集中力がまさに育っている時間です。危ないことでなければ、区切りがつくまで少し待ってみる。それだけでも、集中する経験を守ることができます。
リズムは、集中のスイッチになる
音楽のレッスンで集中が生まれやすいのには、理由があります。リズムがあると、次に何が来るかを体が予測し、自然とそこに注意が向くからです。
手をたたく、歩く、止まる。リズムに合わせて動く活動は、聴くことと動くことを同時に行うので、ぼんやりしている暇がありません。楽しく体を動かしているうちに、集中する経験が積み重なっていきます。
集中できない日があっても、心配しすぎない
昨日は夢中で取り組んでいたのに、今日はまったく落ち着かない。幼児期にはよくあることです。眠い、お腹がすいた、いつもと場所が違う。そんな小さなことで、集中のしやすさは変わります。
一日ごとの様子で判断するのではなく、数か月という長さで見てみてください。少し前より長く座っていられるようになった、最後まで聴けるようになった。集中力は、そうやってゆっくり育っていくものです。
集中力は、学びのすべてを支える
集中力は、思考力、記憶力、表現力といったほかの力の土台になります。話を聴けるから理解でき、じっと見られるから覚えられ、最後まで取り組めるからできるようになる。勉強を始める前に育てておきたい力の、いちばん最初にあるのが集中力です。
脳育×知育®︎音楽レッスンでは、0歳から年齢に合わせて、集中力を育てる内容を取り入れています。くわしくは年齢別レッスンをご覧ください。